皆さん、こんにちは。長野県諏訪市を拠点に、給排水設備工事や空調設備工事を手掛けている株式会社胡桃工房です。
おそらく誰もが、水道の蛇口をひねるだけで「いつでも安全で清潔な水が出てくること」は当たり前のことだと考えているのではないでしょうか。事故や災害で断水が起きるなど非常事態以外で、いつでも水が使えるありがたみを意識することはほとんどないことと思います。しかし、古くからある建物などで、年数の経った水道管を利用している場合、水詰まりを起こして水道水が出てこないトラブルが発生する場合があります。そこで今回は、水詰まりを起こす原因や水道管で起きるトラブルの内容、メンテナンス方法などについて解説します。
■水の詰まりは古い水道管の錆が原因?
水は、日常生活に必要不可欠です。水道が使えなくなると聞くと、不安を感じる方も多いことでしょう。1980年代以降に敷設された水道管の多くは「硬質ポリ塩化ビニル管(通称:塩ビ管)」が使われているため水詰まりを起こす心配はありません。水の詰まりを起こす可能性があるのは、それ以前に主流であった鋼管を用いた水道管です。
水の詰まりの主な原因は水道管の錆です。水道管の内部で作られた錆は、水圧によって剥がれ落ち、水流に乗って蛇口内部に集まります。その結果、蛇口内部のフィルターが目詰まりを起こして、水が流れなくなってしまうのです。
■詰まり以外の錆トラブルとは
水道管内の錆は、詰まりだけでなく、様々なトラブルを引き起こします。
・錆粒の混入や赤水
蛇口のフィルター通り抜けてしまうサイズの錆粒が水道水の中に混入したり、錆が水の中に溶けだして水が赤くなる「赤水」が出てきたりするなど、水を汚す原因となります。
・水漏れが発生
錆粒や赤水が出ている状態を放置していると、腐食が進んで破損する場合があります。亀裂や破損を起こした部分からは、当然のことながら水漏れが発生します。
・水の出が悪くなる
水道管の亀裂や破損を起こした部分が床下など見えない部分の場合、水漏れに気づかないこともあります。また、錆によって水道管内部の水の流れるスペースが細くなってしまうなど水の出が悪くなることもあります。
その他稀なケースではありますが、金属製の配管を使用していないにも関わらず、水の中に錆粒が混ざることがあります。多くの場合、前面道路の工事が原因です。ご自宅の配管は新しいものでも、浄水場から水を運ぶ水道本管が古い場合、本管内部で発生した錆が混入する可能性があります。こういったケースに気づいた場合は、本管を管理する水道局へ連絡しましょう。
・水道管が錆びてしまう原因とは?
水道管の錆はどのような原因で起こるのでしょうか。
まず、錆の発生するメカニズムについて簡単に説明します。鉄は酸素と水と触れ合うと化学反応を起こします。鉄は水に鉄イオンが溶けだす性質を持っており、鉄イオンと酸素が組み合わさって酸化を起こすと錆(酸化鉄)が生成されます。
一般的に鉄管の寿命は15~20年と言われていますが、頻繁に使用されている水道ほど錆の進行が早まると言われています。
■水道管の耐用年数はどれくらい?
水道管に主に使われてきた材料の変遷とそれぞれの耐用年数について紹介します。
① 昭和50年ごろまで・・・亜鉛メッキ鋼管を使用 (耐用年数 15~20年)
亜鉛メッキ鋼管は、鉄管を亜鉛で加工した管です。安価で施工性が高いため、広く使われていました。しかし、錆ができやすく、こぶ状の錆が管内に大量に発生して赤水が発生したり、こぶのせいで管が細くなって水が出づらくなったり、剥がれた錆が管内で詰まって水が出なくなったりといったトラブルが多発していました。また、長期的に亜鉛を摂取し続けると、銅の吸収を阻害して「銅欠乏症」による心血管系や神経系の異常を引き起こす恐れがあるため、現在では使用が禁止されています。
② 昭和50年代から平成5年頃頃・・・塩ビ管を使用 (耐用年数 20~25年)
当時の塩ビ管は、鉄管の中に塩ビ管が挿入された2重構造をしていました。これは直管部分のみを保護する形状だったため、配管接合する継手やバルブ部分は錆びてしまう欠点がありました。
③ 平成5年頃から平成10年頃・・・塩ビ管+コア内蔵接手 (耐用年数 25~30年)
これまでの塩ビ管の接合部分の問題を解決するために生み出されたのがコア内蔵継手です。この継手によって錆の発生は抑えられるようになりました。しかし、継手の施工時にねじ込みが足りない場合、鉄管部分が露出してしまうため、施工の手間がかかる問題点がありました。
④ 平成10年以降・・・ステンレス管・架橋ポリエチレン管 (耐用年数 30~40年)
ステンレス管と架橋ポリエチレン管はどちらも耐食性に優れているため、錆発生の心配がありません。架橋ポリエチレン管とは、耐熱性や耐食性、耐塩素性に大変優れているほか、地震や地盤沈下などが起きても破損しづらい耐久性も兼ね備えています。
■配管は定期的なメンテナンスを行いましょう
給排水の配管は直接目視で確認できず、ご自身で状態を把握することが困難なので、定期的なメンテナンスを実施しましょう。
金属製の水道管を使用している場合、耐用年数である15~20年を超過しているものが大半のため、水道管自体を新しいものに交換する「水道更新工事」の検討が必要です。ご自宅全ての配管を交換する場合、大きな費用が発生します。特に、築年数の経った建物の中には、メンテナンス用の点検口等を設けていない場合もあり、壁や床を剥がして工事を行わなければならないことも考えられます。撤去工事や復旧工事など大工工事が絡む場合、さらに金額は膨れあがります。できるだけ早く点検を実施して、必要な費用の見積額を把握してスケジュールを立てることがおススメです。
更新工事以外のメンテナンスとして、管内の錆を除去するフラッシングや配管清掃があります。
◆フラッシング
フラッシングは、水道のバルブを全開放して、高い水圧で水を流して管内から錆を排出する方法です。管内の剥がれやすい錆を一気に除去できますが、時間経過とともに錆は再発します。配管の劣化が激しい場合、錆が剥がれ落ちる際に配管に穴が開いてしまうこともあるので、必ず信頼できる専門業者に依頼しましょう。
◆配管清掃
配管清掃は、機械を用いて管内に高圧の水を流し込む方法で、原理としてはフラッシングと同様になります。
■まとめ
水道管の錆の原因やメンテナンスについて解説しました。
配管のメンテナンスや交換工事は、内部を直接確認することができないので品質管理が難しく、工事完了後も効果の実感ガ難しいです。適切な工事が行われなかった場合、漏水が起きたり使えなくなってしまったり、想定外の追加費用が発生したりといったことも考えられます。だからこそ、給排水設備だけでなく建物全般に対する知識が豊富で、問題解決能力に優れた安心して任せられる業者へ依頼することが重要といえます。
株式会社胡桃工房では、一般住宅から大型施設まで幅広い規模の建物の各種給排水設備工事や空調工事を承っております。
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